みなさんは、「同一労働同一賃金」という話をご存知でしょうか?
最近ニュースや新聞などでも取り上げられている話題ですよね。
今回は、「同一労働同一賃金」についてご紹介いたします。
「同一労働同一賃金」とは?
職務内容が同一または同等の労働者に対し同一の賃金を支払うべきという考え方です。
同一労働同一賃金の実現を目指す大きな理由は、正規社員と非正規社員との賃金格差が、日本の賃金水準全体を上がりにくくしている要因であるとの指摘が多いからと言われています。
リーマンショック後の落ち込みから脱して以降、正規・非正規の賃金水準はそれぞれある程度上昇してますが、両者を合計した全体の賃金水準はほとんど上がっていない現状があります。
ちなみに、2015年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、正規社員よ非正規社員の時間あたり賃金は下記のとおりです。
「正規社員」の時間当たり賃金:1958円
「非正規社員」の時間当たり賃金:1258円
なぜ、「同一労働同一賃金」が今話題なのか?
実は、「非正規社員」の割合は年々増加しています。
2005年:30.3%
2010年:34.4%
2016年:37.6%(2016年9月時点)
正規社員よりも賃金水準が低い非正規社員が増えると、全体の平均賃金が低下していく事になります。
これが、日本の家計全体の所得が増えない要因のひとつになっていると言われているためです。
どう変わるの?
政府より発行されているガイドラインによると、「基本給」「昇給」「ボーナス」「各種手当」と言った賃金だけでなく、教育訓練や福利厚生も同一の貢献にはどういるの、違いがあれば違いに応じた支給を求めています。
また、上記の点で不合理な待遇差の是正を求める労働者が裁判で争えるような、根拠となる法律を整備する予定となっています。
ちなみにガイドライン案は、現時点では「案」であり、まだ決定まで至っていません。今後の動向にも注目が集まりそうですね。